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【森林紀行No.7 アラカルト編】 No.15_ブルキナ・ファソ

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 TBSからこの紀行文に載せているネレの木やそれから作る調味料のスンバラの写真を使用してよいか許可を求めてきた。良く捜すものだと思ったが、ネットサーフィンの時代、捜すのは簡単だっただろう。放映の3日前だったが、OKした。その番組は2019年3月14日23時56分からの「世界くらべてみたら」という番組で、国分太一や渡辺直美がご飯のお供にはどんなものが良いか、世界各国のご飯のお供を比較したもので、なかなか楽しい番組だった。その番組ではコートジボアールの代表としてスンバラが取り上げられていた。

 以下は、既にブルキナ・ファソ編で載せている紀行文であるが、再読していただければ幸いである。

 スンバラとは西アフリカの料理には欠かすことのできない発酵食品の調味料である。フランス語では「ネレ」と呼ばれるマメ科の樹木の種子から製造する。ネレの木は樹高が10~15m(最大では20m程度)までに成長する。私が住民の生活向上を支援をしていた地域はブルキナ・ファソで、コートジボアールの国境まで約60㎞くらいと近かった。「シアバターの木」の方が有名で、この木と共に「ネレの木」もこの地域では、点々と農地の中に存在している。重要な木は昔から住民は残しておいたのだ。これがこの地域の独特の景観を形成している。

 「スンバラ」は、このネレの木の種子の果肉を発酵させたもので、納豆菌と同じ仲間の菌である。そのため独特の香りがし、酸っぱく、これを調味料として用いるのが、西アフリカ料理の特徴である。

 種子が取れるのは4月~6月で、収穫後は軒に干してから、種子と果肉を採取する。残った莢は、粉末にし、水に溶かして防水材として壁に塗ったりするということである。スンバラは村の女性の貴重な現金収入源ともなっていて、プロジェクトでは森林管理グループの生計向上支援の一つとして、スンバラの加工方法の改善指導を行っていたのである。

  私はスンバラ自体は好んで食べたいとは思わなかったが、ご飯にふりかけて食べたりはした。また、セネガルやブルキナ・ファソの主食であるチェブジェン(洗面器のような大きな器を用い、魚の煮汁でご飯を炊き、炊いたご飯の上にその魚を載せて食べる)の調味料は、スンバラというからいつもスンバラを味わっていたようなものだ。酸味があり、独特の香りでチェブジェンは食べずにいられなくなるものだった。

ネレの木の莢.jpg

ネレの木の莢

莢の中身。黄色.jpg

莢の中身。黄色の果肉の中に種子がある

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果肉の中から種子を取り出し、乾燥させてから発酵させる

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独特の風味がある

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