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【増井 博明 森林紀行No.8 中国編】 No.5_大苗による植林地

森林紀行

筆者紹介


2006年7月27日(木)

避暑山荘
 今朝は6時半に世界遺産の避暑山荘を見に行くというので6時前に起きる。すぐにメールを繋げるとうまく繋がりノートパソコンにメールを落とす。30分くらいかかり全部落とした。それから避暑山荘に行った。
 案内は最初からついている河北省のShoさんとFonさん、それに承徳市林業局の局長ともう1人であった。林業局ということで、ただで入れてもらった。入ると女性二人が近寄ってきてガイドをやらせよと言ってくる。それを断り、池の周りを歩いて回る。
 この日も天気が悪い。ガスっていて雨が降らないだけましだ。スニーカーが湿っぽくて気持ちが悪い。太極拳やジャズダンス、社交ダンスまで大量の人数でラジオ体操のようにやっている。足で羽根突きをしている人も多い。鹿も沢山いる。多くの年寄りも石の上に足を上げて柔軟体操をしている。意外に体が柔らかい年寄りが多いのでびっくりした。
 避暑山荘は600haくらいと広大に広がっているのだが、入り口付近の池の周りを散歩しただけでホテルに戻り食事となった。

避暑山荘の入り口
避暑山荘の池
避暑山荘にいたシカ
池の中の建物

朝食時に
 昨日、承徳市から来てくれた人が、Shuさんの金魚鉢を割ってしまったと青くなったそうである。山荘賓館のShuさんの部屋に金魚鉢を持ち込もうとしたとき誤って落とし、割ってしまったそうだ。それでShuさんは、「割れ物だから心配しなくていいし、気にしないで良いよ。」と言った。円だと2万円ちかくのものだそうだ。

長靴を買いに
 承徳市の森林を見に行く前にShuさんも運動靴を洗ってしまったので履くものがないということで長靴を買いに行った。
 スーパーもごちゃごちゃしていると思ったが、整然としている。私も長靴を買うと承徳市の誰かが先に支払ってしまって、金を受け取らない。安いものではあるが、予算があるのでかまわないと言われるが、この接待攻勢にはまいる。しかし、長靴をもっと早く買えば良かったと思った。それから本屋に行って地図を買うが、ここでもShoさんに支払われてしまった。

植林計画地へ
 そして承徳市の植林計画地を見に行く。ここは承徳市から車でそれほど遠くはない。袁家荘のすぐ上の斜面である。山の下にすぐ人家が迫り、また畑もある。植林するにはやり易く、保全対象もあるので良いのではないかと思った。
 しかし、人家が近すぎ、地すべりなどの災害が起こった場合、植林のせいにさせられないかと心配な点も思い浮かんだ。とは言うものの植林計画地の下の方には樹木もあるし、植林した方が土砂災害は少なくなり、安全になるだろうと思われた。
 町には小中高大学と学校も移転してきて、すぐ下に鉄道も走っている。谷間には少しガリーもある。

植林計画地
植林計画地。下には樹林があり、その向こうに町が広がる

北京市に戻る
 ここを見終わってから北京市に戻る。高速道路を出たところで、北京市の林業局の人と待ち合わせであったが行き違い、捜しに少し戻ったら出会うことができた。昼も過ぎたので、道沿いのレストランに入り昼食である。北京市の林業局の幹部、密雲県の林業局の局長もきている。またしてもビールと白酒で歓迎される。もう昼から飲むのが普通という感覚になってしまった。

より大きな金魚鉢をくれる
 ここで最初からずっとつきあってくれていた河北省のShoさんとFonさんと別れる。このとき、承徳市のShuさんの金魚鉢を割ってしまった人が、割ってしまったものよりももっと大きな台付きの瀬戸物の金魚鉢を持って来て、Shuさんに渡した。あまりに大きいのでShuさんも戸惑っていた。車に移し替えるのも大変であったが、何とか北京から来た車に乗せることができた。

北京からの技術者
 北京市の林業局から来たのは、最近結婚したばかりの若い女性のMaさんと今年入ったばかりのもっと若い23才のRiさんで、彼らが山を案内してくれた。Riさんは英語が上手で、やっと英語を話す人と出会い、私は直接話せるのでストレスがぐっと減ったという感じであった。北京林業大学で学び、中国から外に出たことがないということだったが、かなり英語は上手だった。

北京市の植林地
 それから北京市で行った植林地を見せてもらう。かなり大きな大苗を使っている。今年植えるというところは岩だらけで手間がかかりそうだった。灌漑のパイプラインなども見せてもらう。パイプラインと言ってもパイプの直径は5cm 程度の細いものだった。
 大苗をかついで農民が山の上に登っていく。去年植林して枯れた部分の補植とのことだ。
 密雲県の林業局長は、典型的な中国人といった顔つきに見えた。Maさんは去年まで免許を持っていなかったので運転ができなかったが、今年は免許を取ったということで、今は4WDの車を運転している。

北京市の山に向かう
山に持って行く大苗
去年植えた樹木
農民が補植を行っている

密雲県の事務所
 それから密雲県の林業局に行く。立派な建物なので驚いた。局長を下ろしてから北京市に戻ろうと車に乗ると、ここでバッテリーが上がってしまった。そこで充電が終わるまで局長の部屋へ上がり、一頻り待たしてもらうことにした。この車は韓国の協力で入った車だとのことだ。中国みたいな巨大な国に日本や韓国などが援助をしているのは逆ではないかと思うくらいだった。
 局長の部屋は二部屋続きで奥の部屋にはベッドまで入っている。何でベッドまであるのか聞くと昼から接待が多く、その後に寝ないともたないとのことだった。酒で肝臓を傷める幹部も沢山いるとのことだ。全体にゆったりした雰囲気が漂っていて、日本のようにあくせくして働かなくても良いなら、余裕があり精神的にも良く家庭サービスもできるだろうし、とてもうらやましい感じを受けた。どちらかと言えば南米に近い感じを受けた。

北京市へ
 車の充電が終わったので北京市に向かう。北京市に近づくに従って大気汚染が激しい。天気は悪く、ガスっているようだが、排気ガスと黄砂だ。悪臭も強くなる。しかし、道路沿いの緑化は日本以上に見える。樹種はポプラ、ヤナギ、ニセアカシア、コノテガシワなどで、単調だ。高速道路沿いでも地方では街灯がないところが多く、夜の運転は危険度が増すだろうと思った。

北京のホテル
 北京市では福建省のゲストハウスとなっているホテルに泊まった。高層の立派なホテルである。金魚鉢をShuさんの部屋に入れるが、あまりに大きいので機内持ち込みは無理だ。荷物で預けるのも無理そうなので、それは北京林業局のMaさんに預けることとした。

やっと解放される
 今晩は、初めて中国側の同行者から開放されて、Shuさんと2人での夕食であった。Shuさんはこの周辺に地理に詳しく、近くのスーパーに行き、明朝の食糧を買い込んだりした後に、近くの屋台の飯屋に夕飯を食べに行った。選ぶものが悪かったのか、量はやたら多いのだが不味かった。

ホテルにて
 ホテルに戻り、インターネットが繋がらないのでホテルの従業委員に接続をみてもらい、その間にShuさんと白酒を飲む。結局、毎日毎日飲んでいるから飲みたくなり、飲む量は普段と変わらずかなりの量を飲んでしまった。その後メールが繋がったので、すべてのメールを見て、必要な返信をした。


つづく

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