森林紀行travel

【森林紀行No.4 パラグアイ – 北東部編】No.17

森林紀行

サッカーを楽しむ

 パラグアイのスポーツと言えばサッカーである。サッカーばかりで他のスポーツはないといっても良いくらいなところである。2010年南アフリカで行われたワールドカップでは、日本、パラグアイとも予選を突破し、次のトーナメントで最初に対戦したが、日本がPK戦で敗れたのはまだ記憶に新しいところではないだろうか。私はこの時は、セネガルの森林局で、このPK戦をみていて残念な思いであった。

 

 ところで、パラグアイ人は皆サッカーが上手である。これは子供の内からサッカーばかりやっているからで、一緒に仕事をしている森林局の職員も皆上手なことは前に書いたとおりである。アスンシオンで小学校の横を通りかかった時に見た光景では、休み時間に生徒達が新聞紙をまるめてボールに見立て、廊下でサッカーをしているのであった。当時、皆貧しかったのだろうが、ボールがなくてもどこでもサッカーはできるのである。

 

 セロコラ国立公園で、キャンプをしているある日、セロコラの軍の駐屯地の軍人チームが試合を申し込んできたのでパラグアイ森林局チームとで試合をした。ここにはサッカー専用の運動場もあったのだ。

 

 森林局チームでは日本人は、私を含めて数人参加し、大部分は、森林局の職員だ。私は、このころ日本にいるときは、ランニングをしていたので、長く走るのは得意だったが、短距離を早く走るのは今一つで、走り回っているだけで、なかなかボールには触れることはできなかった。

 

 今まで、キャンプの狭い道路でサッカーを楽しんでいたが、大きなグラウンドにでるとわけが違う。狭いところでやっていた時は、体力よりもテクニックのあるものの方が上で、ウエスペやカブラルの方がオルテガよりテクニックは上ではないかと思っていたが、大きなグランドにでると、まるっきり逆であった。

 

 オルテガは、もちろん狭いところでもうまかったが、ウエスペやカブラルの方がせこさがあった。しかし、広いグランドでは、オルテガのテクニックは断然に光った。彼は走るのが早く、体力もあった。縦にロングにボールを出せとサインし、その出されたボールにうまく追いついて捉え、直接胸でトラップしてそのままボレーシュート、得点である。相手にぶつかられても倒れないし、まるでプロの選手のプレーを見ているようであった。ロングボールを出したものもうまかった。こうしてプロ並みにボールを正確にコントロールできるものが、普通の人の中にも相当いるということである。

 

 

パラグアイ森林局チーム2.jpg

パラグアイ森林局チーム。

後列中央でボールを持っているのが私

 

 試合は残念ながら惜敗したが、日本人が試合にでないで、森林局のベストメンバーならば勝てた試合であっただろう。その証拠にペドロ・ファン・カバジェーロの町でもバスケットボール場で1チーム5人のサッカー大会が開かれていたが、森林局チームは優勝していたのだ。それでもセロコラでの試合の時は、我々日本人も出場し、良い親善試合となった。

 

 

 

Page Top