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【森林紀行No.6 セネガル,マングローブ林調査編】 No.11

森林紀行

セミナーや地域ワークショップの開催

マングローブの持続的管理計画

 様々な調査を行った後に,全域を対象としたマングローブ林の持続的管理計画というものを作成した。マングローブ林は,建築材や薪炭材などとして住民の生活に欠かせなく,水産資源をはぐくみ,防潮堤の役目を果たし,さらには観光資源ともなり得ることで,住民生活になくてはならないものである。そこで,マングローブ林を持続的に利用することにより,住民の生活を向上させ,環境も保全するという目的を持った計画を作成したのである。

 

パイロットプロジェクトを行うことに

 その後,実際にその計画を実施する前に,計画の妥当性を確認したり実施体制を確立したり,実施する際に現れる問題点などを解決するためにパイロットプロジェクトというものを行うことになった。

 パイロットプロジェクトのメニューは,森林分野,水産分野,観光分野,環境教育分野の4つを選定し,さらにその中には,例えば森林分野の活動では,リゾフォラの植林,アヴィセニアの植林,村落林造成,養蜂などの活動を行うことにしたのである。これらについては追々紹介していく。

  このパイロットプロジェクトを実施することで,実際に計画を行う村落の住民や住民を指導する地方組織のキャパシティ・ビルディング(能力向上)を図ることも目的としていたのである。

 

セミナーの開催

 我々が行っている活動を国際機関や国際的なドナー,それにセネガルの中央や州などの機関に知ってもらうため,2002 年10月にダカールのソフィテルというホテルで,それらの関係者を招待して,このマングローブ林の持続的管理計画についてのセミナーを行った。

  こういったセミナーの準備もいろいろ大変であるが,関係者が協力して無事に終わり,良い宣伝活動となった。

 

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セミナー会場のホテルソフィテル

 

 

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セミナーの昼食時

 

 

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セミナー会場から大西洋を臨む

 

 

 

地域ワークショップの開催

 その後,計画策定対象地域内のフィムラ,フンジュン,トゥバクータという比較的大きな町3箇所で,州や県や郡といった地方行政機関,それに村落共同体(CR)と多くの村落の代表者,さらにNGO 等を招待して,マングローブの保全と持続的管理の必要性や地域住民による管理によるパイロットプロジェクトを行うことについてのワークショップを開催した。

  パイロットプロジェクトには水産関係のプロジェクトもいくつか含まれているため,東京海洋大学の教授もセネガルに来られ,講演もされた。いろいろ調べられており,セネガル人が取るタンパク質の多くが魚介類からで,その割合は日本人が魚介類からとるたんぱく質の割合よりも大きいことなどを話され,世界には魚介類に依存している人々も多いのだということを改めて知った。

 

対象地周辺の地図.jpg対象地周辺の地図

 

 

 

フィムラでのワークショップ

 フィムラは対象地の北での多少大きな町である。いろいろ小さなNGOがここに拠点を構えていた。

 

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ワークショップ会場

 

 

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ワークショップの参加者

 

 

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ワークショップの後で,フィムラで水揚げされたエビ

 

 

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フィムラで取れたリゾフォーラの種子

 

 

 

フンジュンでのワークショップ

 上の地図にはフンジュンが載っていないが,ムバムと書いてある村のすぐ上で道路が途切れ,船の渡し場がある町である。我々は,主にフンジュンを拠点に多くの村を訪ねた。

 

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フンジュンのワークショップの会場

 

 

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フンジュンでの発表

 

 

トゥバクータでのワークショップ

 トゥバクータは,対象地の南の方にあり,ここには協力隊の隊員が何人かカキ養殖などで協力していたので,我々も隊員を指導し,隊員も我々のプロジェクトを手伝ってくれるという協力関係だった。

  偶然なことに,何代目かの女性隊員が私の娘の親友と大学の同級生で,その後日本に帰国した際に,関係者を集めて食事をしたことがあった。

 

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トゥバクータの会場

 

 

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ワークショップの後,鳥島へ。多くのサギがいた

 

 

 

つづく

 

 

 

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