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【森林紀行No.1 9/18】「陸上の踏査」

森林紀行

ラゴ・アグリオ周辺

樹木を伐採してデータを採取する前に森林全体の状況を調べることにした。ついにアマゾンの森林を直接見ることができるとのかと身が引き締まる思いであった。まずは、ラゴ・アグリオ周辺を見ることにした。

いきなり度肝を抜かれる

早速大蛇のお出ましである。道路の補修の様な作業をしていた人達がボアを捉まえていた。

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いきなり出くわした大蛇ボア(力がありそうな胴体)

捉まえたボアは長さが約4m。太さは太いところで15cm以上はあった。これに巻かれたたらひとたまりもないだろう。しかし、毒はないし人間を襲うことはなさそうだ。動きもにぶいし、毒を持っていることではパラグアイに多くいた1-2mのガラガラヘビの方がずっと危なそうだった。

また、人が飼っていたが森で捉えた珍しいサルにも出会い、その後どんな珍しい動植物に出会えるのかワクワクドキドキな思いであった。

その後、ボアには時々出会ったので、相当数のボアがいたのであろう。

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珍しいサル。夜行性のヨザル(オマキザル科)

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日常的に出会ったボア、4m程度

ラゴ・アグリオで釣る

ラゴ・アグリオというのは酸っぱい湖という意味である。実際その湖があるので、行ってみた。熱帯で暑く雨が多いので、いろいろな微生物が繁殖して冨栄養になるのであろう。水は濃緑茶色で全く透明度がない。どろんとしていて底なし沼のようである。湖のほとりにカヌーが置いてあり、乗ると船べりの上の方まで水がきた。幸い水は中には入らなかったが、今にも沈みそうである。櫂で漕いで少し先まで行ってみた。しかし、見るからに水中から妖怪のようなものが現れそうな不気味な色で、とても沖まで行く気がしなくて、すぐに引き返す。

小さいリール竿を持ってきていたので、釣りをしてみようとエサを捜すと湖のほとりでミミズが捉まえられた。そこで、投げ込んでみた。するとすぐに20cmくらいのアイナメのような形の魚が釣れた。魚が多いのであろう。エクアドルの技術者もかなりいたので、すぐに釣れて鼻高々であった。しかし、知らない魚で見た目が良くないのですぐに放し、別な場所へ踏査に行った。

 

ラゴ・アグリオとコカ間の偵察、すべる道路

それから数日後まずは、ラゴ・アグリオから道路が通じている南のコカまで行ってみることにした。この間は約90Kmである。この道路には原油から石油を取ったあとの残りカスをアスファルトまで製造しないで、そのままアスファルトの代わりに敷いていた。そのため一見アスファルトの様に見えたが、雨が降ると非常にスリップし易く、車で走る時は相当に気をつけなければならなかった。

また道路に沿って、鉄管の石油のパイプラインが走っており、直径80cmくらいもあるかなり太いパイプが敷設されている場所もあった。細い物では直径10cmくらいであった。

それでも皆車を飛ばすので、本当に危なかった。実際に一度跳ねられて死んだ人を見た。それにバスの転覆事故を2度見た。危ない。更に、少し経った後、我々もカウンターパートが交通事故を起こし、大変な目に会ったが、それは後述する。

むしろ未舗装の道の方の方が安全だった。例えば東のシュシュフィンディに行くには、ラゴ・アグリオから約40kmほど南に行き、それから東に向かう道路があり、それは未舗装だった。交通量は少なかったが、スピードも出せないので安全だった。

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雨が降ると滑る道路

(雨が非常に多く、アスファルトにまでしない石油を取った残りかすを敷いた道路。脇に石油のパイプラインが並走する。)

 

ハシケ

ラゴ・アグリオを出発するとすぐにアグア・リコ川(Agua rico:豊富な水)に出会う。そこはガバラ(Gabarra:ハシケ)で渡らなければならなかった。川幅は50m程だったがこれは交通の障害もはなはだしかった。ハシケの甲板は長方形で、車を数台載せることができた。車が数台のりハシケが満杯になるまでハシケは動かず、乗ってから渡り終えるまではだいたい1時間くらいかかった。場合によっては2時間以上もかかることがあった。回りは何を見ていても珍しいものばかりだったので、退屈するなどということは全くなく、時間の経つ不思議さを感じていた。

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ハシケのことをスペイン語でガバラという

この川には1987年に行ったときには橋がかけられていて、大変に便利になったものだと思ったものである。

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バスも車も人も運ぶハシケ

試しに伐る

ハシケを降りてからしばらく走って途中の入植者の奥にある山に入ってみる。高さ20mほどで胸高直径(胸の高さ1.3mの位置の木の直径)20cmくらいの細い木を一本チェンソーで倒して、2m置きに直径を測った。

いくらでも木はあるが、伐るのは石油基地や入植地で、すぐに伐られる運命にある木に絞った。

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途中にあった入植者の家。カヤ葺きの掘立小屋

周りには直径1mを超える木も沢山あり、日本から持ってきた直径60cmまで測れる輪尺(木の胸高直径を測る道具。大型のノギスのようもの)ではまにあわず、それより大きい木は直径巻尺(樹幹の周囲を回して測り、直径が読みとれるようにしたもの。表面は円周率倍の目盛が付けてあり、裏面は普通の巻尺である。輪尺で測るより時間がかかる。)で測ることにした。

その日はコカに行き、コカに泊まった。しかし、コカの手前にナポ川の支流のコカ川があり、そこも同じように橋が無く、ハシケで渡らなければならなかった。そこでも渡るのに1時間はかかるのであった。

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道路際で山から伐ってきた木を製材し、椅子やタンスを作り販売している人もいた

コカにはホテルアウカ(Auca:アウカは先住民の一部族名)というホテルがあった。

このホテルは、以前はテキサコが石油開発のために作業員用に作り、使っていた宿舎だったということでそれを改造し、ホテルにしたとのことだった。

外見はトロピカルな雰囲気で、食堂が道路に面していてきれいそうに見えたが、中の部屋はどこも汚かった。とりあえず偵察で一泊した。

翌日コカのMAGの事務所に行くとアメリカ人の平和部隊(Peace corps、日本が青年海外協力隊として模倣した)の隊員2人とアメリカ人の訪問者が1人いた。しばらく談笑してMAGがアグロフォレストリー用の苗畑を持っているというので見に行った。植栽樹種の育苗方法や期間、植栽時期などを聞き取りして、ラゴ・アグリオに戻った。

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外見はトロピカルな雰囲気のホテルアウカ。中身は汚く居心地が悪い。

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コカのMAG事務所。きちんとしていた。

 

つづく

7月の駒ヶ岳

社窓


7月の駒ヶ岳

例年より早く梅雨入りした分、早く梅雨明けしたような感じ。

一気に30度越えの真夏の日射しがやってきました (^_^;)

これから気温があがると注意しなければならないのが熱中症。

私たちも屋外の現場では、定期的に休憩をとって水分補給をしたり、塩飴などで塩分を補給したりする、など熱中症の対策をしっかりととって作業にあたっています。

皆さんも、特に屋外の作業の際には体調に十分ご注意ください。

 

[南アルプス]

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さて、ゼンシン菜園でも、いよいよ収穫がはじまりまりました。

まずは、キュウリ。油断してたらいきなりゴーヤみないなキュウリになりました。

これは、浅漬けにしておいしくいただきました。

これから、夏の日射しを一杯浴びた野菜たちがたくさん収穫できるかな。

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【森林紀行No.1 8/18】「ラゴ・アグリオにて」

森林紀行

ホテル エル・コファン

 ラゴ・アグリオに着いてすぐにホテルエル・コファン(El Cofan:コファンとは先住民の一部族名)にチェック・インした。荷物を部屋に入れてすぐ隣りの電話局へ電話をかけに行った。

 当時このホテルはできたばかりで新しかったが、床やドアが歪んでいて建て付けが悪く、また部屋も狭くて居心地は良いとはいえなかった。しかし、ここが最良でここより良いホテルはなく、シャワーもトイレも付いているし、キャンプに比べれば天国と思ったものである。

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ホテル エル・コファンの部屋(増井が最初に泊まった部屋。

部屋が狭かったのでベッドにいろいろ広げて整理)

 8/18ラゴ・アグリオにて 2

ホテル エル・コファンの経営者の家族達と(長逗留するうちに家族とも親しくなった)

団長に電話

 当時ラゴ・アグリオから電話回線はキトーに2回線しかなく、電話局へ行かなければなかった。幸い電話局がホテルの隣だったので、夜は待っている人がいなくて、閉局少し前の夜9時にキトーにいる団長に電話が繋がり、無事ラゴ・アグリオに到着したことを報告した。

印象に残った傲慢なアメリカ人

 ホテルエル・コファンに泊まっていたアメリカ人がここの電圧はいくらかと聞いてきた。私は「one hundred ten volt」と言うとアメリカ人は「お前はそんなことの言い方も知らないのか。教えてやる。それはone tenと言うのだ。」と非常に感じ悪く、人が親切に教えてやったのに威張っていて、いかにも普通に傲慢なアメリカ人で、感じが悪かった。

 

ラゴ・アグリオの町の印象

 調査基地とした町はこのラゴ・アグリオとコカの2つであり、どちらも同じくらいの期間滞在したが、コカの方がより生活条件が悪かったので、印象はコカの方が強い。とは言うもののこの当時のラゴ・アグリオも生活条件は相当悪かった。

 ラゴ・アグリオは1970年台に石油開発で開かれたということで、まだできて新しい町だった。町は碁盤の目のように道路が通っていたが、まだ舗装もされていなく、砂利道で車が通ると砂ぼこりがひどかった。空き地も相当あり、徐々に建物が建てられつつあった。そのため、まだまだ整った町ではなく、西部劇でみるような荒くれ者が流れて来るような非常にガサツで汚いという印象を持った。治安は悪いといわれていたが、実際に相当悪かったのだろう。

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最初に石油が発見された最初の井戸の記録を書いた看板

(1967年2月16日?1967年3月29日)

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ラゴ・アグリオの町(未舗装で、建築中の建物も多かった。)

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ラゴ・アグリオを走るバス(トラックの荷台に座席を作り改造)

食堂や店屋

 ホテル以外にもいくつか食堂があり、よく外の食堂に夕食を食べに行った。印象に残っているのは野外で屋台のような場所があったが、カルド・デ・ガジーナ(Caldo de gallina)といって鶏肉を煮込んだスープがとても美味しかった。しかし、4本指の鶏足が、そのまま入っていて、それもおいしいのだが形を見てしまうと鶏足だけは何となく進んで食べにくかった。中華料理屋も1軒あった。こんな奥地にもさすがに中国人。そして町はずれに韓国人が雑貨屋を開いていた。そこで良く買い物をしたが、そこの主人は私が帰国してまた来る時にいろいろ必要物を買ってきてくれるよう私に頼んだ。適当に生返事で、お茶を濁していたが、だめもとで知らない人にでも頼みごとをするだけ彼らは生命力が強いのだろう。

飲屋

 ラゴ・アグリオにも何軒かの飲屋があった。そのうち一番きれいな飲屋にヒメネスとモリーナがよく連れて行ってくれた。ビール以外にはロン(ラム酒)があり、ロン・カスティージョ(Ron Castillo:城のロン)というのが、結構いけた。

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左からモリーナ、増井、ヒメネス。彼らは長時間飲むのが好きだった

 

打合せ

ヒメネスの事務所へ

 翌日早速ヒメネスの事務所に行き、調査について打ち合わせた。

 最初は改めて何を調査するかについての打合せである。つまり今回の調査の材積表作りのためのデータを集める仕事であり、標本木として150本を伐採するのをどのあたりで行うかが中心であった。この他にペンタプリズマ(簡易に直径を測ることができる器具。器具の中にプリズムが入っていて樹木までの距離に関係なく、カメラのファインダーのようなものを覗くと、樹木の幹の左端と右端を直線で合わせられるようになっていて、それを合わすと、バーが幹の直径と同じ長さにスライドし、幹の直径が測れるもの)で200本ほどのデータを取ることであった。

 これは次に述べるように、この周囲でアクセスができる5つの地域から概ね30本ずつ、木の胸高直径(太さ)をバラつかせて取ることにした。

 次は日程で、どの辺りをいつ頃調査するか、そして調査の前に全体の概況調査をするなどであった。

 そして調査メンバーをどういうグループにするか、作業員と森の案内人、チェンソーマンなど何人くらい必要かなどを打ち合わせた。

 必要な作業員達はヒメネスが手配してくれることになった。このことは後述するが、最初に雇った作業員がいろいろ要求してくるので結局クビにしたけれど、この地域の生活の厳しさを感じた。

ヒメネス

 ヒメネスは赤ら顔のスペイン系で、非常に調子が良くて、何でもオーケー、オーケーというタイプなので大分迷惑を蒙らされた。ラゴ・アグリオからキトーに仕事に行った時も月曜日に行き、木曜日に戻って来ると言って出かける。3日後に帰ってくるのだなと思っていると、帰ってくるのは必ず1週間後か2週間後の木曜日なのであった。本当にいいかげんであった。

調査地域

 標本木を採取するのに、この地域全体に適用できるようにするため、5つの地域から採取することとした。概ね集落がある。ラゴ・アグリオとコカが比較的大きな町で、その他小さな集落で、そこまでアクセスできる道路があった。

 ダユマは石油開発のために道路を作設中の最先端で、貧しい作業員だけのいる場所である。

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標本木を選んだ地域

上の図に示す所である。

                               1      ラゴ・アグリオ周辺

                               2      テテテス周辺

                               3      シュシュフィンディ周辺

                               4       パヤミーノ周辺

                               5       ダユマ周辺

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