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[増井 博明 森林紀行 番外編 地域探訪の小さな旅]No.3_京浜工業地帯-鶴見線沿線

森林紀行

 今回の小さな旅は,京浜工業地帯の中心を走る鶴見線を乗ったり、沿線を散歩した記録である。これは、まだコロナウィルスが、知られておらず、感染が始まる前の2019年11月1日(金)に行ったものである。鶴見線と言えば、京浜工業地帯のど真ん中を走るJR線で、都会にある鉄道ではあるが、多くの人は乗る機会がない路線だと思う。半世紀前のこの周辺はまさに、公害の中心地であったが、今は大気と海に関わる環境は改善され、昔の面影はない。現在は、2022年10月であり、この時歩いてから既に3年近く経つので、もう一度歩いてみたいと思っているが、コロナで自粛期間も長かったこともあり、まだ実現していない。

鶴見駅→海芝浦→浅野→安善→武蔵白石→大川→武蔵白石→浜川崎→昭和→扇町→昭和→浜川崎
海芝浦から浜川崎の間を歩く。
周辺の全体地図

鶴見駅から海芝駅へ
 鶴見駅発9時30分発の海芝浦駅行きに乗った。海芝浦駅は新芝浦駅の次。この辺は全て埋立地であるが、新芝浦駅から海沿いに真っすぐ進んで、進行方向に向かって右にカーブし、長方形に近いもう一方の辺の先端に海芝浦駅がある。海芝浦駅は広い田辺運河に面しているので、景色は新芝浦より広く見渡せずっと良い。
 海芝浦駅には9時45分に到着。一般人は、この駅の改札から外には出られない。東芝に勤めている人のみか改札からでることができる不思議な駅である。

海芝浦駅にて
遠景は鶴見つばさ橋

海の状況
 海芝浦駅にて着いた電車が鶴見駅まで戻る間、約20分間駅のプラットホームで東京湾を観察する。私は東京湾が見たくて、先月もこの駅に来て、海を見ていた。それで、この周辺の東京湾がとてもきれいになったことは知っていた。50年以上前の昔の東京湾の記憶からすると、この辺りは油がねっとりと浮いて、不気味な色をした海のはずだったが、澄んで魚も見え、全くきれいになったものだと感慨深かった。大気や水に関する環境問題は、やればできる、規制を皆が守ればできるのだと改めて思ったものである。

鶴見つばさ橋、ベイブリッジ
 近くに鶴見つばさ橋、遠くにベイブリッジが見える。これらの橋は、首都高速湾岸線上にあり、横浜から羽田空港を結び、この間はとても近くなった。

鶴見つばさ橋
横浜ベイブリッジ

海芝公園
 駅に隣接して海芝公園があるが、この日は数週間前の2019年10月に立て続けてきた台風15号と台風19号に、公園の木々は襲われ、だいぶ倒れたようで、この日は、閉鎖されていた。見た感じ、倒木を避ければ、中を歩いてもどうという感じはなさそうであったが、閉鎖され、中に入れず、残念だった。

浅野駅へ
 海芝公園を見た後、同じ電車で浅野駅まで戻る。新芝浦駅の次で2駅目で、5分ほどだ。

浅野駅から安善駅へ
 浅野駅で降り、ここから歩き始め、安善駅に向かう。道路は、いきなりトラックが多く、人が歩くには向いていない。舗装道路を縦にコの字型に歩いた。つまり、浅野駅から最初北に向かい、途中で右に曲がり、それから東に真っすぐ歩き、また、右に曲がり南へ向かったのだ。
 最初の安善駅から北に向かい東に曲がると道路の左側に寛政中学があった。半世紀以上も前のことだが、私が通っていた高校には、この寛政中学出身の者もかなりいた。この辺りは、昭和40年代は環境汚染地区の代表的地域だった。そのため、この辺りから通っていた者は公害で大変だったと言っていた。洗濯物を外に干すとススで真っ黒になるので外に干せないと言っていたのを思い出す。それにしても今はどちらかというと閑静な住宅街という感じで、本当に環境改善は可能で、公害という歴史を通らなければ、それができなかったことが不幸であったと思う。
 それから「驚きの出会い」の一つにこの寛政中学出身の高校の同期生がいる。2018年にスペイン・ポルトガル音楽(ギター)の旅に参加した時、お互いに知らなかったがその彼も参加していたのだ。彼は旅の途中で体調を崩し入院してしまい、私が言葉が分かるので世話を焼いてやったのだが、帰国後話していて同期生とわかりびっくりした。同じクラスでなかったのでわからなかったが、その後ギターを通じて友人となっている。

安善駅から武蔵白石駅へ
 続けて、安善駅から武蔵白石駅まで歩くが、武蔵白石駅の手前に寛政公園があり、10時半くらいにここで少し休み水分補給をした。

武蔵白石駅から大川駅へ
 武蔵白石駅から大川駅までは真っすぐの道だ。一段とトラックが増えたように感じた。歩き始めて1時間近くすると、当時私は不調だった時期から体調は上向きかげんになり始めた時で、まだ完全に調子が良いわけではなかったので、だんだんと頭が痛くなってきた。それでも頭痛薬に頼らずに、歩くことができるようになっていた。

武蔵白石駅から右折し大川駅までは真っすぐ

大川駅を通過し先端へ
 大川駅は11時10分に通過し、歩いて行ける先端まで行ってみようと行ってみる。大川駅の手前では、幅は狭いが、緑の回廊のような緑地帯があり、その中を散歩する。多少は車から離れているので散歩の雰囲気が出る。道路際を歩くより、こちらを歩いたほうがよほど気持ちが良い。
 するとどこかの工場の入り口に行き着いた。そこから海が見えるか覗いてみるが見えない。入口に監視員はいないようだったが、中に入ればきっと何らかのトラブルになるだろうと中に入るのは遠慮し、そこでユーターンしてここまで来た道を戻り、武蔵白石駅に向かう。

大川駅

 大川駅のこの周辺は広大な敷地を持つ工場で占められている。遠くに煙突から白い煙を出しているのが見える。おそらく水蒸気だろう。昔に比べれば大気もきれいになったもので、ほとんど匂いも感じない。昔を知っている私としては、あまりに大気がきれいになり不思議な感じがした。

武蔵白石駅から浜川崎駅へ
 大川の先の道路の先端から引き返し、武蔵白石駅まで戻る。それから浜川崎駅へ行く。ここは鶴見線に沿った道路で緩やかにS字カーブを描いていく。また一段とトラックが多くなった。狭い道なので大型トラックが通る時は怖い。

浜川崎駅から昭和駅へ
 浜川崎駅を12時20分ごろ通過する。浜川崎駅からは、角が丸くなった四角形の上のほうを行くような感じで歩くと昭和駅である。

浜川崎駅

昭和駅から扇町駅
 昭和駅から扇町駅までは真っすぐな道で歩道もしっかりしているが、やはり大型トラックが多く、騒音もひどく落ち着いて歩ける道ではない。扇町駅は広い道路からやや狭い道を右側に入ったところにある。

扇町へ向かう鶴見線

扇町駅
 扇町駅に13時過ぎに着く。ホームに上がりそこのベンチに座り、持ってきたアンパンとチョコレートのクロワッサンを食べた。時間を見ると電車の時間までにはまだだいぶあるので、浜川崎駅までとりあえず歩くこととする。

扇町の改札口。鶴見線はどの駅も無人駅だ
扇町のホームのベンチ。パンを食べる

再び浜川崎駅へ
 浜川崎駅に14時に着く。だいぶ歩き私の万歩計で2万歩以上に行っている。私は疲れてきたので、今日はここで歩くのを止め、電車に乗ることとする。ちょうど14時4分発の鶴見駅行が来た。これに乗る。

国道駅へ
 途中鶴見駅の手前の国道駅に降りる。14時20分だ。ここはレトロの感じの店が残っているとのことで降りたが、実際残っているが昼間で閉まっていた。開いていても、ガード下で暗い、臭い、汚いでとても入る気がしない数件の店ばかりだった。

鶴見駅へ
 国道から歩いて鶴見駅へ。14時40分に着く。駅の近くに、シークレイン美容室なるものがあった。シーは見る、クレインは鶴なので、鶴見を英語で言えばシークレインかクレインシーである。私も使っていた言い方で、秘密を公にされた感じだ。鶴見駅に着き、体調が万全でなかった私は、かなりの疲れを感じていた。

感想
 ここは、まさに京浜工業地帯のど真ん中。半世紀前は公害の代表的地域であった。ここを歩いてみて環境が改善されたことを深くしっかりと感じた。昔と比べてあまりにきれいになったので、本当に工業地帯なのか、不思議に感じたが、広大な敷地をもつ工場が多く、まさに工業地帯である。そんな中で規制がかかり、それを守れば環境を改善できるということを実証した地域でもある。これは自治体が規制をかけ企業が努力してきたおかげともいえる。当時は規制をかけなければ企業は努力はしなかったのである。しかし、今やSDGsがもたらす「企業の社会的責任」なども進み、企業みずから環境改善をしていかなければ生き残れない時代ともなった。これはとても良いことである。
 今後は、地球温暖化防止に向けての脱炭素に対しての対策が重要だが、これはやはり各国の努力が必要である。京都議定書(1997)が採択されて、25年。四半世紀を過ぎたのに、気候変動問題では当時より後退しているのではないかと思わされるほどである。一層の努力が必要である。また、個人、各人が努力して環境改善をできることも沢山あるだろうと、鶴見線沿線を歩いて思ったことである。


つづく

初秋の高原

ゼンシンの日々

週末、所要で伊那市長谷まで出かけた帰り、数十年ぶりに鹿嶺高原を訪れてきました。(鹿嶺(かれい)と読みます)

鹿嶺高原は、伊那市長谷総合支所から約12km、標高1800mの高台にあり、眼前に南アルプスや中央アルプス、遠くには北アルプスが望め、周辺は自然豊かなキャンプ場として整備されています。

近年のキャンプブームもあってか、当日は10月中旬の通常の週末でしたが、伊那市街から約1時間の山の中にあるキャンプ場にもかかわらずキャンプサイトはかなりの人で、そのほとんどが県外ナンバーの車だったのには驚きました。

月見平キャンプ場(フリーサイト)
一般駐車場

高原の中心部にある雷鳥荘(管理棟・宿泊施設)横に新設されたテラスからは、伊那市街地と中央アルプスが一望できます。

雷鳥荘(管理棟・宿泊施設)
テラスからの伊那市街地・中央アルプスの眺望

キャンプ場は、11/26まで営業しているようです。

山の中で回りには何もありませんが、自然の中で癒やされたい方、キャンプに興味のある方は、鹿嶺高原キャンプ場で検索してみてください。

10月の駒ケ岳

社窓
2022年10月の駒ケ岳

しばらく残暑が続きましたが、一気に秋めいてきました。
ついこの前まで夏日に近いような日が続いていたかと思ったら、
寒冷前線の影響で、一気に11月並みの寒さの日も。
部屋では扇風機とファンヒーターが同居しています。

さて、秋といえば、キノコ。
今年は今のところは不作とのこと。
夏の猛暑や少雨の影響ではないかとのことです。

相手は自然のもの。
毎年、採れる、採れないと一喜一憂するからこその
楽しみという面あるのではないでしょうか。

2022年10月の10南アルプス
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