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3月の駒ケ岳

社窓
2022年3月の駒ケ岳

いよいよ春到来。
今年は比較的穏やかに暖かくなり、桜の開花も平年並みか平年よりやや早いとの予想。
とは言え、まだまだ寒い日もあり、
体調の管理には十分気をつけたいところです。

一方、世の中に目を向けると、
長野県においては、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が解除となったものの、
まだまだ感染の拡大は続いています。
また、世界情勢も非常に不安定になっています。
早く平和な日々が訪れることを切に願います。

2022年3月の南アルプス

2月の駒ケ岳

社窓
2022年2月の駒ケ岳

暦の上では立春を迎えましたが、まだまだ寒い日が続きます。

今年はここ2、3年と比べてだいぶ気温の低い日が多かったこともあり、
諏訪湖では御神渡りが早くから期待されました。
しかし、残念ながら明けの海の宣言となってしまいました。

新型コロナウイルスによるまん延防止等重点措置が長野県でも発出されました。
もしかしたら神様も人出が多くなること心配して遠慮されたのかもしれません。

早く、新型コロナ感染も明けてくれることを切に願うところです。

2022年2月の南アルプス

[増井 博明 森林紀行 番外編 地域探訪の小さな旅]No.1_清流に感じた多摩川

森林紀行

【はじめに】
 地域探訪の小さな旅として、最初に、2021年12月初旬に歩いた多摩川周辺散歩について書いてみたい。新型コロナが出現する以前は、主に低山を登っていたが、新型コロナ禍となった後は、感染を避けるため交通機関を使うのを止めて、家から歩いていける場所を目的地として長距離散歩をすることにした。地域探訪といっても身近な場所である。しかし、身近であっても初めて歩く道は、無数と言っても良いほどあり、そこには何らかの発見があり、とても興味深いことが分かった。その後、緊急事態宣言が発せられ、その間は家に閉じこもってこの長距離散歩もやめていた。ところが、昨年(2021年)10月くらいから東京も感染者が激減し、交通機関の利用も心配なくなったので、電車に乗って行ける場所へ目的地もシフトし、長距離散歩を再開したものである。しかし、2022年になり、またオミクロン株が流行し始め、今後どうなるかわからないが、最近歩いたこの多摩川周辺の散歩を最初の地域探訪の小さな旅として書いてみる。

【コース】
 今回のコースは、南武線の久地駅からか神奈川県(川崎市)側の多摩川沿いに登戸方面まで歩き、水道橋を渡り東京都に入り、多摩川沿いに二子玉川駅まで(狛江市と世田谷区)である。

久地駅から歩き始め、二子玉川駅まで歩いた

【久地駅で待ち合わせ】
 前日は雨だったが、この日は快晴の良い天気で幸いだった。いつも散歩する友人と南武線の久地(くじ)駅で、10時に待ち合わせた。10時少し前にお互いに久地駅に着いた。

【途中駅で偶然の出会い】
 久地駅に行く途中、偶然なことに、府中本町の駅で、私が、国分寺でギターを習っている先生とばったりと出会った。そこから久地駅まで一緒に行った。近所とは言え、府中本町駅でばったり出会うのは、かなり低い確率であろう。

【久地駅から多摩川へ】
 久地駅で友人と出会い、そこから多摩川に向かう。駅のすぐそばに寺院があった。天台宗の青龍山龍源寺で、保育園が併設されていた。いつもは寺院も見学していくのだが、この日は裏側を素通りして多摩川に向かった。

裏から見た清流山龍源寺

【向の岡工業高校】
 多摩川に向かって歩いていくと、多摩川の沿いに神奈川県立向の岡工業高校がある。高校も目的地の一つだ。そして目的の高校に向かって歩いている時に周辺にある神社仏閣や珍しいものなども訪れるのだ。この高校のかなり広い敷地は、多摩川沿いだから取れたのであろう。

向の岡高校のグランウンド側から

【きれいになった多摩川】
 向の岡工高沿いの道路を渡ると多摩川である。ここから上流に向かい、登戸方面に堤防道路を歩いた。この堤防道路を、この時一緒に散歩している友人とはるか昔の若い時、川崎からこの堤防道路が終わる府中まで往復約40㎞を走ったことがある。懐かしい思い出だ。この日の、多摩川沿いは風が強く、寒く感じた。川沿いを離れて街中を歩くと日差しが強く暖かく感じた。

多摩川

 多摩川は私が高校生だった半世紀以上前は下流の堰などでは、泡が飛び交う汚染された汚い川だった。処理されない下水などが流れ込んでいたのだ。その後、環境規制が徐々に厳しくなり、汚染水が流れなくなり、今はきれいになり清流のように見える。冬なので微生物や水生昆虫の活動も不活発なこともあり、とてもきれいにみえた。

【多摩川にかかる橋や河川敷の施設】
 向の岡工高からすぐに東名高速の多摩川橋をくぐる。そこから上流に向かって堤防の上の道路を歩く。走っている人やサイクリングをしている人も少なからずいる。自転車がかなりのスピードで追い抜いたり、向かってきたりするので危ない。時々チャリンとベルを鳴らすものもいて、ここは歩行者優先なのにとんでもない野郎だなどと友人が言う。遠くに小田急線の橋もきれいに見える。

小田急線の橋

 しばらく行くと河川敷にフットサル場もある。サッカースクールなども併設されているようだ。

【多摩高校】
 このフットサル場の町側には神奈川県立多摩高校がある。多摩高校の周辺を一周する。この高校の敷地もかなり広い。やはり河川に近いのできっと創立当時に敷地が広く確保できたのであろう。
 都立にも多摩高校という名の高校があり、それは青梅市にある。同じ地名を取った学校ではあるが、県立多摩高校は多摩川の中下流で都立多摩高校は上流にある。こことは随分と遠くに離れている。

神奈川県立多摩高校
多摩高校の入り口にあった日時計。ほぼ11時。

【宿河原の堰】
 多摩高校から上流に向かって歩く。河川敷には縄文時代の遺跡もあるようだ。しばらく歩くと宿河原の堰がある。ここには沢山のシラサギがいた。コサギかチュウサギだ。宿河原の堰から取水して、ここから二ヶ領用水(宿河原用水)がスタートするとのことだ。江戸時代初期に農地に水を引いたそうだ。

写りが良くないがシラサギが多数いた
宿河原の堰

【船島稲荷大明神】
 宿河原の堰とほぼ同じくらいの位置の河川敷に船島稲荷大明神があった。鳥居の名前には「正一位稲荷大明神」と書かれてあった。治水興能の守り神だ。

船島大明神
同上

【水道橋】
 それから小田急の橋をくぐる。ここは登戸駅のすぐそばだ。それから少し上流に行くと歩いても渡れる水道橋がある。ここを渡り川崎市側から東京都側の狛江市に入る。水道橋の中間には東京都と神奈川県との都県境の標識がある。
 ここには昔は、「登戸の渡し」があったそうだが、1953年(昭和28年)に相模川の水を都心へと送る「導水管」の建設の際に、道路と水道管の併用橋として架橋され水道橋と名付けられたとのことだ。その後、交通量の増加や橋の老朽化により、新たな橋が2001年(平成13年)にかけられたそうだ。橋の長さは約360mだ。

多摩川水道橋
水道橋からの景色
水道橋の中間にある都県境

【都立狛江高校】
水道橋を渡った上流側には都立狛江高校があり、高校の周囲を回った。

多摩川と都立狛江高校

【小田急線の和泉多摩川駅へ】
 狛江高校から今度は下流へ向かって歩く。近くに小田急線の和泉多摩川駅があった。この駅の下のスーパーで昼食を買い、多摩川に出る。

小田急和泉多摩川駅付近

【多摩川の河川敷で昼食】
 多摩川の河川敷の緑地にベンチがあったので、そこでスーパーで買った昼飯を食べた。ここは多摩川緑地公園グラウンドだった。

多摩川緑地公園グラウンド。水道橋方面を望む

【多摩川の川沿い】
 天気が良いものの風が強いので、ゆっくりと川沿いを双子玉川駅まで歩いた。途中、警視庁の教育センター(白バイ訓練所)などがあった。

【駒沢大の玉川キャンパス】
 東名高速の下をくぐりしばらく歩くと駒沢大学の玉川キャンパスがあった。相撲部という看板もあり運動場も見えたのでスポーツ専門の施設のように見えた。多摩川と玉川と二つの漢字があるが、その違いは、川を示す場合は多摩川で、この周辺は玉川という地名のようだ。

駒澤大学玉川キャンパス
同上

【双子玉川駅から帰宅】
 その後、多摩川の河川敷には、ラグビー場や野球場など様々な運動施設があった。二子玉川駅に着いたらそこから溝の口駅まで歩く予定だったが、歩行数も3万歩も越えて、ここからの道路は交通量が多いので、この日の散歩はここで終わりにし、二子玉川駅から電車に乗り溝の口駅に出て、溝の口駅で友人と別れ、帰宅した。

【今回の小さな旅の感想】
 今回一番印象に残ったのは、再発見ではあるが、多摩川がとてもきれいになったことである。多摩川がこれだけきれいになり下流の京浜工業地帯での大気も海も相当にきれいになっている。これならCO₂の排出も少なくなっているのではないかと感じるが、そうは問屋が卸さないのである。これは日本では巨大な火力発電所が石炭火力で動いていたり、車の総量が多いので、今のところはCO₂はなかなか減らせないのだ。日本も早く石炭使用から再生可能エネルギーへ、車もEVの製造過程ではCO₂排出を抑える方向でEV車へ早急にシフトすべきであろう。
 これ以外に、東京は神奈川にも広々として気持ちよく散歩できる場所があることが発見できた。また、広い河川敷の土地利用には、様々な運動場やドライビングスクールなどもあることがわかった。
 しかし、普段は穏やかな流れの多摩川ではあるが、2019年の台風19号では堤防を越水して洪水を起こしている。この洪水により下流のグラウンドや道路が被害を受け、復旧に1年以上も要し、時々参加していた月例川崎マラソンもその間、中止となった。
 単純に考えても、普段、幅50ⅿで深さ1ⅿの流れが、洪水時には幅300ⅿ・深さ5mで、流速が10倍になれば、水量は普段の300倍にもなるのである。とてつもない暴れ川となる恐れがある。一部の地域では天井川になっているし、多摩川といえども、今後想定される地球温暖化による台風や豪雨が増加する影響下での治水は、より困難になるのではないかと思わされた。

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