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【森林紀行No.7 アラカルト編】 No.18_ブルキナ・ファソ
ブルキナ・ファソ―ロロペニの世界文化遺産を見た一日
【別ルートで首都へ帰る】
2011年10月26日、この日はバンフォラ(ブルキナ・ファソの南部コートジボワールに近い町)からワガドゥグ(首都)に上がる日だった。3月にクーデター未遂事件に巻き込まれ、恐怖の体験をしたことから、複数の避難ルートを確保しておくため、いつもとは別なルートでワガドゥグに戻ることにした。200kmくらい余分に走るが、途中のロロペニ(地名)にブルキナ・ファソで唯一の世界文化遺産があるので、それを見学した。
【出発】
いつもと同じ時間に朝食を取り、運転手のダウダが7時に家に来た。同僚と7時20分に家(ホテルの中の一軒家を借りメンバーでシェアハウス)を出発。ブヌナ村への曲がり角まで来る。普通はここから北へ真っすぐワガドゥグに向かって行くがここで、右(東)にまがりプロジェクトを行っているグアンドゥグやコングコ国有林方面に向かう。ここからシデラドゥグまでの道は舗装されているが、雨期で道路が痛み、水溜まりや穴ぼこが多い。車がそれらを避けるので、左右に揺れるし、時々、穴ぼこに落ちるのでガタンとする。9時にシデラドゥグに着く。森林官事務所前を通過し、10分ほど走ると道が狭くなる。溜池があるが、この辺りからは道路が広くなったり細くなったりする。
【ロロペニの遺跡】
10時25分にロクソを通過し、10時35分にロロペニに着く。ここがブルキナ・ファソ唯一の世界文化遺産がある場所である。遺跡に着くと見学者は一人もいない。ガイドが1人いたので、案内を頼む。
ここは昔、金の精錬が行われていたとのことで、千年以上の歴史があるとのことだった。以前の土壌分類だとラテライトだ。その鉄塊を積んで壁にしており、まるで要塞のように周囲を囲んでいる。いや要塞だったのだ。ところが、大部分の壁が壊れている。壁の高いところで5mほどだが、昔は12mはあったそうだ。ライオンやその他の動物から人間を守るためのものだったとのことだ。しかし、人間という最も恐ろしい敵もいたであろう。
ブルキナ・ファソ政府には、この遺跡を保護するための資金もないのだろう。何の管理もなされていない。観光客がおらず、日本のように観光客だらけの世界遺産とは全く対照的である。そのため静かで、落ち着いてゆっくりと見学することができる。はるか遠い昔に戻ったような気分を味わえ、ざわついた日本の観光地よりもずっと良いと思った。そして見学が終わり、帰途につこうと思った時にフランス人らしき数人が見学に来た。説明板には次のように書いてあった。「世界文化自然遺産保護条約に従い、遺産資格を獲得したブルキナ・ファソのロロペニ遺跡は世界遺産リストに登録される。全人類の利益を確実に守るため、普遍的な価値を持つ文化あるいは自然がリストへ登録される。」 遺跡の中にはシアバターの木が沢山残されていた。自然に生えてきたシアバターの木は伐らずに残したものである。
【ロロペニからワガドゥグへ】
我々はほぼ1時間ほどここにいた。このロロペニから西のガウアに出ないで、北に35kmほど走り、そこから更に西に30kmほど走ってブルンブルンに出る。ブルンブルンとは面白い響きの町の名だ。
その後、ジブグエという町に午後1時に着く。そこで道路際の食堂で昼飯を食べる。ここもオープンスペースだ。外で起こした火の上で作っている鶏のスープが美味そうに見え、それを食べる。美味しかったが、量が少なかった。この道路際には普通並木道として植えられているカヤ・セネガレンシス(アフリカンマホガニーと呼ばれて大木に成長するセンダン科の木)ではないが、樹高が20mに達する立派な並木があった。2時前にブルンブルンを出発し、午後2時45分にパの町を通過する。ようやくいつもの道路に戻った。途中車がパンクした。下りて確かめると1本のタイヤが裂けてしまっている。これは危険だった。残りのタイヤを見ると皆すり減っている。取りあえずパンクしたタイヤを交換し残りはワガドゥグにいる間に新しいタイヤと付け替えることとする。午後5時過ぎにワガドゥグのホテルに到着する。長時間の車から解放され、夜はいつも行く近くの食堂で、シュワルマを食べる。相変わらず町中は暗いし、車は多いし、信号も少ないので、ホテルの前の大通りを横断するのは危ない。こうしてブルキナ・ファソでの一日は過ぎて行った。
10月の駒ケ岳
この度の台風19号においては、東日本を中心に各地に甚大な被害をもたらしました。
被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、 一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
中央アルプスは、台風が通過した後、22日に初冠雪となりました。
紅葉も一気に進んで、これから順に里へと降りてきます。
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