3月の駒ヶ岳
【森林紀行No.3 ブルキナ・ファソ編】 No.17
トンガ(Tonga)村、ブヌナ村、タニャナ村
ブグッソー村に続いてトンガ村に行った。グアンドゥグ指定林ではブグッソー村が一番奥地で、トンガ村の方がやや道路に近い。同じくシアバターの買い付けを兼ねて行ったものである。
村の雰囲気
やや貧しそうに見えたが、トタン屋根の家もある。
トンガ村のある家。トタン屋根は裕福である、あるいは進んでいる
象徴であるが、伝統的なカヤ葺き屋根より熱気がこもりはるかに暑い
シアバターの買い付け
村人がシアバターを運んでくる
シアバターの重さを測る
ブヌナ(Bounouna)村
ブヌナ村に行ったのは2011年4月11日(月)である。4月8日にプロジェクトの運営委員会(Comite de pilotage)を行い、その時に他の村で活動している男性の青年協力隊員も委員会を見学に来て、そのまま数日間こちらのプロジェクトを見学して行った。その協力隊員と我がプロジェクトの女性協力隊員のIさんとドゥニーズの4人でブヌナ村に行った。
村の雰囲気
バンフォラの町に近いせいか、奥地の村に比べ
て、畑もきちんと整備され、家もきれいである
ブヌナ村はバンフォラから数キロメートルしか離れていないので、ほとんどバンフォラ圏といっても良いくらいな近さである。だからプロジェクトを行っている村の中では物質文明的には一番発展しているとも、あるいは一番豊かな村とも言えよう。
ブヌナ村の苗畑
プロジェクトでは植林のため村でも苗木作りを行っている。その苗木作りの作業をこの村のプロジェクトの委員長のラムサと別の委員とで行っていた。
軒先で作っている苗木
ポットに土詰め
ビニールポットの苗木
村の雰囲気
ヤシ酒をふるまってくれる。アルコール分はほんのわずかに感じるくらい。1?2%だろう。ビールよりかなり軽い。
ヤシ酒をタライに入れる
ブヌナ村の粉ひき機
ひいたトウモロコシの粉
休憩
ブヌナ村の委員長のラムサが持っている店
タニャナ(Tagnana)村
タニャナ村に行ったのは2011年4月12日(火)、ブヌナ村を訪ねた翌日である。メンバーは昨日と同じである。
タニャナ村までの道
トゥムセニ村などへ行く道路と同じであり、タニャナ村はトゥムセニ村の先にある。バンフォラのはずれでは、バイクと共に自転車も多い。
村からバンフォラの町に自転車で来る人々
女性達は頭にタライなどを乗せ、その中に荷物
を入れて運ぶ。頭に乗せて運ぶのは女性のみで、
男性が同じことをしているのは見たことがない。
ブルキナ歩き
「バンフォラの町」で紹介したように人々が歩くのは非常に遅い。私は日本にいる時、東京では普通に歩いているつもりでも、追い抜くことはあまりなく、抜かされることが圧倒的に多いが、ここバンフォラでは、いくらゆっくり歩いていても抜かされることはなく、抜くばかりである。暑いのと急ぐ必要がないので、ゆっくり歩いている。「ブルキナ歩き」だ。
鉄道の踏切を渡る(西方向に進む)とすぐに
右(北)側に大きな溜池が現れる。
道路を横切る牛達。コサギのような白い鳥がまとわりつく。
村の雰囲気
村の面積はかなり広いようで、それに人々の性格が明るいといった印象を持った。
伝統的な家の他、村独自の倉庫もある
苗畑
プロジェクトで指導して作っている苗畑がある。
金網で囲い家畜の食害から苗木を守る。
ポットの苗木
村周辺での薪集め
村の周辺の木を薪として伐採している
集めた苗木
会計指導
この村の中にある学校の教室で行った。村の中に学校の建物があるということがここでは驚きである。大きな村か町に近い村にしか学校はないと思っていた。
まずは委員会のメンバーに集まってもらう。
活動資金のバランスシートの確認。村の中では若者
ほど教育を受けている率が高い。この若い女性は子供
もいるが、プロジェクト活動にも熱心。理解力が早く優秀
【森林紀行No.3 ブルキナ・ファソ編】 No.16
ラボラサンクララ村とブグッソー村
(1) ラボラサンクララ(Labola Sankrala)村
2011年4月1日(金)にジョンゴロ村での仕事が終わった後に、そのままラボラサンクララ村に行き、同じ様にシアバターを買い付けた。ラボラとは実験室とは少しスペルは違うが近代的な名前、またサンクララとは響きが良く美しい名前がついた村があるものだと思った。
シアバターの買い付け
シアバターを運んで来る女性。頭の上に20kg以上乗せても全く平気である
一袋25kg程度のものが多い
村人にシアバターの購入伝票の記載方法を指導するドゥニーズ
村の雰囲気
大きなマンゴーの木があり、その下に牛やホロホロチョウがいてとてもゆったりした時間が流れている村のように感じた。
牛にホロホロチョウに鶏。
(2) ブグッソー(Bougousso)村
ブグッソー村に行ったのは2011年4月6日(水)であり、ブグッソー村の後にはトンガ(Tonga)村にも行った。ブグッソーとは変わった響きである。この村もシアバターの買い付けを兼ねて行ったのでラキエタ・センターの2人は同じであるが、スタッフで一緒に行ったのはママドゥである。ママドゥの担当がグアントゥグ指定林であり、ブグッソー村とトンガの村がグアンドゥグ指定林の周辺に在るのだった。
バンフォラを出発
ブグッソーまでは遠いので、昼飯用に、まずバンフォラでサンドイッチを買う。買う店は「バンフォラの町」で紹介したサンドイッチ作りの屋台のような店を出している女性からである。
ティエフォラの町役場
途中ティエフォラの村役場にも寄って打合せをする。
ティエフォラの村役場
シデラドゥグ
シデラドゥグには森林官事務所があり、そこにも寄って打ち合わせる。
シデラドゥグ方面への道路
シデラドゥグの町
シデラドゥグの環境省の森林官事務所
森林官事務所の庭
森林官事務所前のカイセドラの並木道
シデラドゥグからブッグッソーへ
シデラドゥグを過ぎると大きな溜池が右側に見える。ウオ(Ouo)方向(東方向)に向かっている道を左(北)に入って行くとグァンドゥグ指定林である。グァンドゥグ指定林とこれに対面する形でコングコの指定林があり、この2つの指定林はかなりの密度で森林が残っている。それでも本来の姿からは相当に劣化した森林である。
シデラドゥグを過ぎたあたりの大きな溜池
村の雰囲気
やや奥まった静かな村という印象である。家はこのあたりの村は、ほぼ同じように日干しレンガを積み上げた丸い家の上にヤシやワラで葺いた屋根である。トタン屋根よりもずっと涼しくて良いと思う。土にはところどころに鉄塊が見える。昔の土壌の名称ではラテライトだ。また、家の周りには薪を積んでいる家も多い。ここでは鉄製のカマドも使われていた。
ブグッソー村の家
小さい建物は穀物倉庫である
土壌は、強烈な暑さのためケイ酸や塩基類が用脱されて、鉄塊がよくみられ、赤土が多い
積み上げられた薪
倉庫
プロジェクトで作った倉庫の中に村人が作ったシアバターが保管されている。
プロジェクトの援助で作った村の倉庫
シアバターの買い付け
シアバターの買い付けは他の村で紹介した通りである。
村人が作ったシアバターを持ってくる
秤をシアバターの木に吊るす
シアバターの重さを測る
シアバターを溶かす
つづく
2月の駒ヶ岳
予備知識
こんにちは。
皆さんは映画の予告編をどう思いますか?
映画館やDVDの本編が始まる前に何本か流れますよね。
あれってインパクトの強い部分だけを切り取っているので何となく見てしまうけど、
かなり核心にせまったシーンが流れることがあって、実際その映画を見たときに、
「この情報知らない方が絶対おもしれーじゃん!」
ってことありません?
あれやめて下さいよー。
文庫本の裏のあらすじもそうですよね。昔の名作とかだと”○○○が死ぬ”
とか平気で書いてありますね。
やめろっつーの。
でも予告ないと見る人いないですもんね、難しいですね。
ハブ
【森林紀行No.3 ブルキナ・ファソ編】 No.15
ジョンゴロ(Djongolo)村
ジョンゴロ村までの道
ジョンゴロ村に行ったのは2011年4月1日(金)のことである。ドゥニーズとラキエタ・センターのアーメッドとその助手の女性とイスフの運転で行った。ジョンゴロ村はトゥムセニ村に近く、先日通った道である。バンフォラに近いほど道路沿いでのもの売りが多く、バンフォラ圏を出るともの売りは、ほとんどいなくなる。
バンフォラに近いところでは道路際での物売りが多い
村の雰囲気
どの村も皆そうであるが、ジョンゴロ村もやはり静かでのんびりした印象である。訪問した時は村人が少なくややさびしいという感じも受けた。主に写真で紹介する。
村の集落への入口。静かな雰囲気
村の畑。種を播いた後わらなどを乗せている
村の井戸。釣瓶式の井戸
井戸の周りで洗濯。こちらの人は膝を曲げず
に腰を曲げるので腰痛になりそうな曲げ方である
シアバターの購入
この日はラキエタ・センターの二人とスタッフのドゥニーズと村人が作ったシアバターの買い付けを兼ねて行ったものである。
まずは村人が作ったシアバターの重さを測る。次にサンプルを取り、溶かす。油の温度が42?43°になったら、ソーダーを加え、油が固まるまでの温度を測る。早く固まるほど質が悪く、良いものは20分以上たっても固まらない。その固まる時間により1?3のクラスに分ける。買い取り値段も質の良いものほど高い。プロジェクトでは質の良いものを作るのが目標だ。そして村人に購入伝票の記入の仕方などを指導する。
村人が作ったシアバターの重さを測る
重量を記載する
サンプルを取りだす
サンプルを溶かす
溶かしたシアバターの温度を測り、ソーダを加え固まるまでの時間を測る
伝票の記載方法を指導するドゥニーズ
シアバターの製造は女性の仕事。左の女性は子供を抱いている
つづく
【森林紀行No.3 ブルキナ・ファソ編】 No.14
村での活動 トゥムセニ(Toumousseni)村
私が訪ねた村をいくつか紹介したい。最初はトゥムセニ村である。訪問した村では、どの村でも老若男女、皆生き生きとしている。特に子供の目はキラキラと輝いている。現代にあっては物質文明とは最も対極に住んでいる人々と思われるが、幸福そうである。幸福度は、物質文明と反比例するのではないかとさえ思わされ、物質の豊かさでは幸福度は測れないということを証明しているようでもある。
そういった村人ではあるが、彼らもより多くの資金や物資を援助してくれと頼んでくる。徐々に物質文明に汚染されているのであろう。つまりは、幸福とは反対の方向に行きたいと言っているということになるが、それも我々の援助がそうさせているのではないかと、そう思うとある種の矛盾を感じるのである。
トゥムセニ村までの道
トゥムセニ村はトゥムセニ指定林周辺の村で、バンフォラの西約30kmに位置し、車で40分程である。この村は、私がこのプロジェクトに参加して始めて訪れた村なので印象深い。2011年3月29日(火)、スタッフのドゥニーズと一緒に訪れた。途中見るもの皆珍しい。乾期であるため舗装されていない道路からは車やバイクが通るともの凄い埃がまき上がる。所々にフランスの植民地時代に植えられたカイセドラ(Khaya senegalensis)の並木も美しい。
埃がまい上がる道路
カイセドラ(Khaya senegalensis)の並木
村の雰囲気
バンフォラに近いためプロジェクトを行っている村の中では比較的進んでいるように見える。進んでいるというのは物質文明の度合いで、日干しレンガ作りではあるが、倉庫など大きな建物があったり、村人が着ている着物も小ざっぱりしているといったところから受けた印象である。家と同じ作りで小さな建物が沢山ある。これは穀物などの倉庫として使っているとのことである。
日干しレンガ製の小さな建物は、穀物などの倉庫
トゥムセニ村には、ヤシの木が多い。ヤシの木は、葉を屋根に葺いたり、樹液からヤシ酒を作ったり、ココナツオイルなどいろいろと利用されている。
ヤシの木が多いトゥムセニ村
私は3月11日の日本の大地震と3月22日のワガドゥグでの兵士の反乱事件と2度も強い緊張をしいられてからあまり日にちが経っていなかったので、この村のゆったりした雰囲気に癒される思いであった。
歓迎を受ける
初めて訪れ、ドゥニーズが私を紹介してくれると、そこで待っていた住民森林管理組織の委員会のメンバー達がアダンセ(ようこそ)と言って、大歓迎してくれる。私が自己紹介をし、ブルキナに来た経緯などを話すとドゥニーズが現地語のジュラ語に通訳してくれる。
村人にいろいろ聞きこんでいる時には、遠くに粉ひき機の規則的な音が聞こえてきて、それがのんびりとしたその場の雰囲気にピッタリと合っていてとれも気持ちが良かった。聞きこんでいる周囲には豚や鶏が飛び交い、幼い姉が弟の面倒をみている子供もいる。日本でも戦後のしばらくの時期までの田舎では同じような雰囲気だったのだろうと思う。
聞き込みをしている周りにいた子ブタ。ブタを飼っている人は少
ないので、ここの人はイスラム教でなくキリスト教かもしれない
どの村にも鶏は多い
幼い姉が弟の面倒をみている子供
仕事
ドゥニーズがプロジェクトの進行状況やプロジェクトへの資金の出入状況などを予め模造紙に作っておいた表を見せ、住民と共にそこに書きながら確認していく。
あらかじめ用意した模造紙でドゥニーズが説明
プロジェクトの進行状況を記入した模造紙を持つ住民森林管理組織のメンバー
つづく
初詣
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいします。
先日、諏訪大社上社まで初詣に行ってきました。
我が家の初詣は、毎年正月三が日が過ぎた後の最初の休日に行っています。
昨年はかなり混んでいて、参拝するまでにかなり時間がかかったので、今年はどうかなと少し不安でしたが、かなり空いていて助かりました。
時期は去年とあまりかわらなかったのですが、今年はもう露店もなくなっており、いつもの年とはかなり違った雰囲気でした。
家内安全と健康を祈念して、毎年買っている御札と交通安全のお守りを購入し、お土産店を散策してから帰ってきました。
今年も怪我なく、健康第一で頑張っていきたいと思います。
myst
1月の駒ヶ岳
【森林紀行No.3 ブルキナ・ファソ編】 No.13
明けましておめでとうございます。本年も「森林紀行エッセイ」をよろしくお願いします。
村の植物
様々な産物を書いた項で、植物としてシアバターの木、ネレ、サバ・セネガレンシス、バオバブなどを紹介した。これ以外に、いろいろと植物の葉の写真を撮り、きちんと同定はできていないが、その中の一部分と果樹などを含めて、もう少し植物を紹介したい。
プテロカルプス
大きなプテロカルプスの木にウェンガ(Wenga)村で出会った。村の入口のこの村の代表者の家の前にあったものである。プテロカルプスはマメ科のプテロカルプス属で35種ほどあるが、羽状複葉の葉と円盤のような翼がついた種子を見るとすぐにわかる。私はジンバブエでも森林調査を行っており、調査した地域ではプテロカルプスが最も良い材が取れる樹種だった。ジンバブエの樹種はPterocarpus angolensis だったので、ここのものは樹種は異なるものであるが同属である。中央アフリカから西アフリカに多く分布するので、きっとブルキナのこの周辺には沢山あるのだろう。久しぶりにプテロカルプスを見て懐かしい思いがし、まさに出会ったという思いだった。
ウェンガ村にあったプテロカルプスの木
プテロカルプスの羽状複葉の葉
プテロカルプスの円盤状の翼が付いた種子
マンゴー
マンゴーはどこの村にも大量にある。子供達だけでなく大人も皆おやつ代わりにマンゴーを食べている。ここのマンゴーは繊維が多いが、カリブ海のドミニカ共和国で食べた野生のマンゴーよりは大分繊維は少なく食べ易かった。
ジョンゴロ村のマンゴー
ラバラサンクララ村でマンゴーの木の下で日差しを避ける牛
日差しが強烈なので日陰を作るためにも植えられるマンゴー
スバカ村。集会の前にマンゴーの木に登りマンゴーを取る男性
スバカ村。男性が落としたマンゴーを運ぶ女性
この他、何種類もの実が食べられる木が、各村には植えられている。カシューナッツは多くの村で植えられていた。また、ニーム(インドセンダン)がどの村でも多く植えられていて日陰を取るのに利用されている。またバイオディーゼル燃料を取るジャトロハが植えられている所もあった。チューヤと言ってコノテガシワもかなり見た。
州局の庭にはハート型をした葉を持つ木、葉柄が長い掌状の木やアカシアなどかなりの樹種が樹木園風に植栽されていた。
カシューナッツは多くの村で植えられている
ニーム(インドセンダン)の実
ジャトロハ
チューヤ(コノテガシワ)
ブヌナ村にあった実が食べられる木。甘く美味しい。
州局の庭にあったハート型の葉の木
州局の庭にあった葉柄が長く掌状の葉の木
つづく